今回は、以前ご依頼いただいたお客様からの2台目の構成相談実績をご紹介します。
1台目は作業・学業・マルチタスク重視の構成(約45万円)でしたが、今回はPalworldのゲームサーバー+放置ゲームの常時起動用という全く異なる用途でのご依頼でした。
同じお客様の1台目の構成相談実績。X870E・360mm AIO・RX9070XT採用の約45万円構成。
同じお客様でも用途が変われば構成は大きく変わります。1台目との比較も含めて、選定理由を解説します。
一点、記事を読まれる方へ重要なお断りがあります。
この構成は、お客様から細かいご要望をヒアリングしたうえで確定した内容です。バランスの気になる箇所についてもご説明し、それでも希望されることを確認のうえ提案しています。すべての方がこの用途・この構成に合致するわけではありません。 ご自身の場合はどうか、という観点で疑問がある方は、記事末尾の構成相談サービスよりご相談ください。
お客様のご要望
使用用途
- Palworldのゲームサーバー(専用サーバーの常時稼働)
- 放置ゲームのプレイ(低負荷で常時起動)
- その他、細かいご要望あり(ヒアリングにより反映)
予算感
Amazonでの総額:358,177円
1台目の452,738円と比較して約94,000円安くなっています。これはX870EマザーボードからB850への変更・360mm水冷から空冷への変更・RX9070XTからRX9060XTへの変更など、サーバー用途に合わせた最適化によるものです。
構成提案のポイント
1. ゲームサーバーにはCPUのマルチスレッド性能が鍵
Palworldの専用サーバーはCPU負荷が高く、特にプレイヤーが増えると複数コアへの負荷が分散されます。公式推奨スペックは4コア以上・8GB以上のRAMですが、余裕を持たせるためにRyzen 7 9700X(8コア16スレッド)を選択しました。
ゲームサーバーは放置ゲームと同時稼働させる場合もあるため、シングルスレッド性能だけでなくマルチスレッド性能が重要です。9700XはZen 5アーキテクチャで、この用途に十分な性能を持ちます。
2. GPU性能よりも省電力・安定性を重視
ゲームサーバーはGPUをほぼ使いません。放置ゲームも基本的にGPU負荷は低いです。そのため今回はRX9060XT(8GB)を選択し、RX9070XTが必要なシナリオは想定しないという判断をしました。
省電力・発熱を抑えることで、24時間稼働時の電気代・冷却負荷・長期信頼性に貢献します。
3. 24時間稼働を意識した空冷・電源選び
サーバー用途の特性上、常時稼働が前提です。水冷クーラーはポンプの経年劣化・液漏れリスクがあるため、信頼性の観点から空冷クーラー(Thermalright Peerless Assassin 120)を選択しました。
電源もSeasonic CORE GX-650という信頼性の高いモデルを採用しています。SeasonicはOEM供給の実績が豊富で、24時間稼働にも耐えうる品質です。
4. Antecで統一したホワイトテーマ
ケース(Antec Constellation C8)・ケースファン(Antec Infinity Matrix)をAntecで統一しています。ARGBの管理もAntec製品同士で親和性があり、統一感のある外観を実現できます。
提案した構成
| パーツ | 製品名 | 価格(Amazon) |
|---|---|---|
| CPU | AMD Ryzen 7 9700X | 38,980円 |
| マザーボード | MSI B850 GAMING PLUS WIFI6E | 20,981円 |
| CPUクーラー | Thermalright Peerless Assassin 120 ホワイト | 5,859円 |
| メモリ | ADATA AX5U6400C3216G-DCLARWH 32GB | 119,800円 |
| GPU | ASRock RX9060XT Steel Legend 8GB | 53,980円 |
| SSD | WD_Black SN7100 NVMe 2TB | 62,147円 |
| 電源 | Seasonic CORE GX-650 ATX3 650W GOLD | 16,980円 |
| ケース | Antec Constellation C8 White | 17,980円 |
| OS | Windows 11 Home | 14,800円 |
| ケースファン① | ANTEC Infinity Matrix 360 Reverse ARGB White | 5,050円 |
| ケースファン② | ANTEC Infinity Matrix 120 ARGB White | 1,620円 |
| 総額 | 約358,177円 |
各パーツの選定理由
CPU:AMD Ryzen 7 9700X(38,980円)
1台目と同じCPUです。Zen 5アーキテクチャの8コア16スレッドで、Palworldサーバーの負荷に余裕を持って対応できます。
Palworld専用サーバーの公式推奨は4コア以上ですが、プレイヤーが4〜8人同時接続する想定では、8コアあると快適です。放置ゲームを同時起動することも考えると、シングルPC上で複数の処理を並行させる必要があり、マルチスレッド性能の高いCPUが適しています。
TDP 65Wという省電力設計も、24時間稼働時の電気代・発熱の観点で有利です。
AMD Ryzen 7 9700X
¥38,980
AMAZON.CO.JPマザーボード:MSI B850 GAMING PLUS WIFI6E(20,981円)
1台目のX870E(53,500円)から変更し、B850チップセットを採用しました。価格差は約32,500円です。
なぜB850に下げたか:
サーバー用途ではX870Eの追加機能(USB4・PCIe 5.0 x16など)がほぼ必要ありません。
- USB4:外部高速デバイスをサーバーに接続する場面は少ない
- PCIe 5.0 x16:RX9060XTはPCIe 4.0接続で十分
- 上位CPUへの換装:サーバー用途で頻繁なCPU交換は想定しにくい
一方でB850にはWi-Fi 6E・2.5GbE LAN・DDR5 EXPO対応が揃っており、今回の用途で必要な機能は十分に備わっています。同じ予算をメモリやSSDの品質に回したほうが合理的という判断です。
MSI B850 GAMING PLUS WIFI6E
¥20,981
AMAZON.CO.JPCPUクーラー:Thermalright Peerless Assassin 120 ホワイト(5,859円)
1台目のLIANLI Galahad II Trinity 360mm AIO(31,064円)から大幅に変更し、空冷クーラーを採用しました。
なぜ空冷にしたか:
24時間365日稼働させるサーバー用途では、ポンプの経年劣化・液漏れリスクのない空冷が信頼性の面で優れています。
Thermalright Peerless Assassin 120は冷却性能の高さで定評があり、TDP250W以上のCPUでも対応できるクーラーです。Ryzen 9700X(TDP 65W)に対しては完全に余裕のある選択で、静音運用も十分可能です。
1台目との価格差(約25,000円)をB850への変更と合わせると、合計で約58,000円のコスト削減につながっています。
Thermalright Peerless Assassin 120 White
¥5,859
AMAZON.CO.JPメモリ:ADATA AX5U6400C3216G-DCLARWH 32GB(119,800円)
1台目と同じADATA XPGシリーズのDDR5-6400、32GBホワイトキットです。2台目にも同じメモリを選んでいるのは、お客様がこのメモリのスペック・デザインに統一感を求めたためです。
Palworldサーバー用途では32GBは余裕のある容量です。サーバープロセス・OS・他の常時稼働ソフトをまとめて稼働させても、メモリ不足になる状況は考えにくいです。
B850マザーボードもEXPO対応のため、DDR5-6400の速度を正しくプロファイル適用して使えます。
なお、サーバー用途だけを考えればDDR5-5600〜6000の32GBキットでも十分であり、コストを大きく削減できます。今回はお客様のご要望・ブランド統一の観点から同キットを採用しています。
ADATA XPG LANCER DDR5-6400 32GB White (AX5U6400C3216G-DCLARWH)
¥119,800
AMAZON.CO.JPGPU:ASRock RX9060XT Steel Legend 8GB(53,980円)
1台目のRX9070XT(69,800円)からグレードを下げ、RX9060XTを採用しました。
なぜRX9060XTで十分か:
- Palworldサーバー:専用サーバーはヘッドレス(画面出力なし)での運用も可能で、GPUをほぼ使用しません
- 放置ゲーム:低負荷のゲームはGPU負荷が低く、RX9060XTで余裕で対応できます
AMD RDNA 4アーキテクチャ採用のRX9060XTは、TDPも控えめでサーバー用途の省電力・発熱抑制に貢献します。将来的に軽いゲームをプレイする場合でも、1080p〜1440p程度であれば十分な性能があります。
ASRock Radeon RX 9060 XT Steel Legend 8GB
¥53,980
AMAZON.CO.JPSSD:WD_Black SN7100 NVMe 2TB(62,147円)
1台目と同じSSDです。Palworldサーバーはゲームデータ・ワールドデータ・セーブデータを保管するため、ストレージ容量と速度がサーバーパフォーマンスに影響します。2TBは余裕のある容量で、複数ゲームのサーバーを同時稼働させる場合でも対応できます。
WD_Black SN7100はPCIe 4.0接続で最大7,300MB/sの読み込み速度を持ち、サーバーの起動速度・ワールドデータの読み書きをスムーズに処理します。
WD_BLACK SN7100 NVMe SSD 2TB WDS200T4X0E
¥62,147
AMAZON.CO.JP電源:Seasonic CORE GX-650 ATX3 650W GOLD(16,980円)
Seasonicの80PLUS Gold認証、650W電源です。ATX 3.0対応(PCIe 5.0補助電源コネクタ付き)のモデルです。
なぜSeasonicを選んだか:
24時間稼働するサーバー用途では、電源の品質・信頼性が特に重要です。SeasonicはPC電源の中でも最高クラスの信頼性を持つブランドで、OEM供給元としても多くのメーカーに採用されています。
今回の構成(Ryzen 9700X+RX9060XT)の消費電力はシステム全体で350〜400W程度に収まる見込みで、650Wは余裕のある容量です。80PLUS Gold認証は80〜90%の変換効率を保証しており、24時間稼働時の電気代節約にも貢献します。
Seasonic CORE GX-650 ATX3 650W Gold (SRP-CGX651-A5A32SF)
¥16,980
AMAZON.CO.JPケース:Antec Constellation C8 White(17,980円)
Antecのプレミアムミドルタワーケースです。左側面のメッシュデザインとホワイトカラーが特徴で、エアフローと見た目を両立したケースです。
フロントの大型エアインテークとメッシュサイドパネルにより、24時間稼働時の排熱が効率よく行えます。後述のAntec Infinity Matrixファンとの統一感も高く、ARGBの制御をまとめやすいです。
Antec Constellation C8 White
¥17,980
AMAZON.CO.JPOS:Windows 11 Home(14,800円)
Windows 11 Home
¥14,800
AMAZON.CO.JPケースファン:ANTEC Infinity Matrix ARGB White
ケースとファンをAntecで統一しています。Infinity Matrixシリーズはデイジーチェーン接続に対応しており、複数ファンをまとめて配線できます。
Infinity Matrix 360 Reverse ARGB White(ラジエーター・吸気用):
ANTEC Infinity Matrix 360 Reverse ARGB White
¥5,050
AMAZON.CO.JPInfinity Matrix 120 ARGB White(排気用):
ANTEC Infinity Matrix 120 ARGB White
¥1,620
AMAZON.CO.JP1台目との比較
同じお客様の2台目ということで、1台目と何が同じで何が変わったか整理します。
| パーツ | 1台目 | 2台目(config04) | 差額 |
|---|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 9700X | Ryzen 7 9700X | 0円 |
| マザーボード | X870E(53,500円) | B850(20,981円) | ▲32,519円 |
| クーラー | LIANLI 360mm AIO(31,064円) | Thermalright 空冷(5,859円) | ▲25,205円 |
| メモリ | DDR5-6400 32GB(119,800円) | DDR5-6400 32GB(119,800円) | 0円 |
| GPU | RX9070XT(69,800円) | RX9060XT(53,980円) | ▲15,820円 |
| SSD | SN7100 2TB(62,147円) | SN7100 2TB(62,147円) | 0円 |
| 電源 | LIANLI 850W(20,182円) | Seasonic 650W(16,980円) | ▲3,202円 |
| ケース | LIANLI O11 Vision Compact | Antec C8 | — |
| ファン | LIANLI UNI FAN(計20,388円) | Antec Infinity(計6,670円) | ▲13,718円 |
| 総額 | 452,738円 | 358,177円 | ▲94,561円 |
用途が変わるだけで約9万5千円のコスト削減が可能です。「同じCPU・同じメモリ・同じSSDでも、その周辺をどう組むかで総額が大きく変わる」という構成相談の典型例です。
バランスについての補足
1. B850マザーボードはRyzen 9700Xのサーバー用途で十分か? 問題ありません。Wi-Fi 6E・2.5GbE LAN・DDR5 EXPO対応・M.2スロット×複数を備えており、サーバー用途に必要な機能は揃っています。
2. RX9060XT 8GBはゲームサーバーで過剰では? サーバー用途だけなら内蔵グラフィック(AMD iGPU)でも動作しますが、9700Xには内蔵GPUがないため単体GPUが必要です。RX9060XTは「動作保証+将来の軽いゲームにも対応」というバランスで選択しました。
3. メモリが構成の中で割高すぎないか? 割高な点は否定できません。ただし今回のDDR5-6400ホワイトキットはお客様のご希望・1台目との統一性から選択しており、サーバー用途なら安価なDDR5-5600 32GBでも十分です。ご自身の場合は構成相談でヒアリングします。
この記事を読んでいる方へ
繰り返しになりますが、この構成はこのお客様の細かいご要望に合わせて確定した内容です。
Palworldサーバー用途でも、プレイヤー数・同時稼働するアプリ・予算・見た目のこだわりによって最適な構成は変わります。「自分の場合はどうか?」と思ったら、以下の構成相談サービスをご利用ください。
650件超の実績。組立代行もまとめてお任せいただけます。
自作PC組立代行の詳細を見る →構成相談のご依頼はこちら:
あなた専用の最適パーツ構成を提案します。互換性チェック・選定理由の説明つき。
LINE・メール・ココナラの3パターンでご相談を受け付けています。
予算・用途に合わせた最適パーツ構成をご提案。互換性・電源・干渉チェックまで一貫対応。
自作PC構成相談 ¥1,500〜 →